クールな社長の甘く危険な独占愛
さつきがもんもんとしている間に、いつのまにか社宅マンションへと到着していた。
地下駐車場について、車を降りる。
社長のカメラを抱えて、一緒にエレベーターに乗る。
「長尾、綺麗なワンピースか、スーツかあるか? できるだけ清潔感があるほうがいい」
「……あると思います」
「じゃあ、それ着て、メガネを外せ。化粧もちゃんとしてこいな」
社長がまじまじとさつきを見る。
「普段は、そんな格好してんだな」
さつきはいたたまれなくなった。
ファンデーションしか塗ってないこともばれてるようだ。恥ずかしいったらない。
エレベーターが到着した。
「じゃあ、十一時に、エレベーター前に来い」
社長はそういうと、さつきからカメラを受け取り、自分の部屋へとスタスタと入っていった。
さつきは、深くため息をつく。
今日一日を潔く諦めようと、腹を括る。
でも頭痛薬は忘れずに、持っていかなくちゃ。