クールな社長の甘く危険な独占愛
「すみませんでした」
隣の男が立ち上がると、リカの隣にいた男もつられて立ち上がった。
「あ、そうそう」
社長が退散する男たちの背中に声をかける。
「さつきだけじゃなくて、うちの秘書泣かせたら、ただじゃおかないからな」
男たちはもう振り返らなかった。一目散というように、店を出て行く。
「ありがとうございました〜」
店員の爽やかな声が二人を見送った。
店内のざわめきとは対照的に、沈黙の続くテーブル。さつきは俯いて、ふうと一つため息をついた。
「社長?」
リカが恐る恐る声をかけた。
「社長、ですよね?」
「見ればわかるだろう?」
「だって……全然……」
リカが呆然としている。社長は軽く笑うと「秘密にしといて」と言った。
「え? どういうこと?」
リカがさつきに助けを求めるような視線を向ける。
「お前さー」
社長が頬杖をついた。
「さつきに男を紹介とか、やめてくれよ。俺が今落そうとしてんのに」
「はあ?」
リカの頭が混乱して爆発しているのが、傍目でもわかった。