クールな社長の甘く危険な独占愛
「あの和茂が結婚するらしいぞ、お祝いしよう!」
社長のすぐ隣に座っていた若い男性が、大声をあげた。
それを皮切りに、高級シャンパンが開けられる。
さつきのグラスにも、なみなみと注がれた。
「飲めよ」
社長はそう言って、自分もグラスをあっという間に空にする。
さつきも渋々グラスに口をつけた。
「キスしろよ〜」
早くも酔いの回った誰かが、囃し立て始めた。
嫌な予感。
逃げようとしたが、社長の左腕がさつきの肩を強く抱く。
「あの……しゃ……和茂さん」
社長の首筋に頬が押し付けられた。
「逃げんなよ」
耳元で囁かれる。
「でも……」
「たいしたことないだろう、キスぐらい」
そう言われて、さつきは、キッと社長を睨み上げた。
「たいしたことあります!」
小さな声で、抗議の声を上げた。
「キスなんか、したくないっ……ですっ」
社長がさつきの顔を見下ろす。少し驚いているようだ。
さつきはといえば、顔を真っ赤にして、必死の訴え。
「おい、早くしろ〜」
周りが騒ぐ。
和茂は、さつきの頭を両腕で抱えるように、引きよせた。