クールな社長の甘く危険な独占愛
「それに」
社長が続ける。
「パジャマがパンダ柄だなんて、色気も何もない。やめろ」
さつきは驚いて、がばっと顔を上げた。
社長の口元が、笑みを浮かべている。
「あ……あの……」
さつきは言葉が出てこない。
「ぐうぐう寝やがるから、ちょっと襲ってやろうと思ったけど、パンダ柄でその気が失せた」
「社長が……」
「着替えさせたけど? ワンピースを脱ぎたいって騒ぐから」
あまりの衝撃に、さつきは社長の顔から目が離せない。
夢じゃ、なかった。
なんてこと……。
社長が立ち上がり、さつきの方へ歩み寄る。さつきは、思わずドアの方へと後退る。
ドアノブに手を伸ばした瞬間、その上から力強く手を掴まれた。
耳の後ろに社長の暖かな唇が当たる。さつきは思わず「あ」と声をだした。
「やっぱりしたくない?」
耳元に呼気がかかる。
肌がゾワゾワする。
心拍数が上がる。
「な、なにをですか?」
さつきは勇気を振り絞って、尋ねた。
「わすれちゃった?」
くすりと笑う気配。
「キス」
「……キス?」
「キスしたくなったら、お前の負けだって、言っただろう?」
「は?」
さつきはノブに手を置いたまま、振り返り社長を見上げた。