クールな社長の甘く危険な独占愛
「あ、今俺の顔に見とれただろう」
「社長って……本当に……すごく……」
社長に対して、言っていいものかどうか、迷う。
「ナルシスト?」
社長が笑う。
「はい」
さつきもつられて、笑みが浮かぶ。
「いずれは年とって、見る影もなくなるんだ。きれいなうちに、この顔をつけた人生を楽しむ」
「……変わった人ですね」
ついそんな風に言ってしまった。
「そうかな?」
「会社とのギャップがすごいです」
「若くてトップに立つと、なめられるからな」
社長がグラスを傾ける。
少し何かを考えるような表情をしたが、すぐ元に戻った。
「メガネ、とったらいいのに」
社長が言う。「コンタクトしろよ」
「コンタクト、苦手なんです。社長は? 会社ではメガネですけど」
「ああ、あれは伊達メガネ。できる男っぽいだろ?」
社長がさつきの瞳を見つめる。
「それに、メガネって官能的なんだ」
「は?」
「まあ、さつきには、この男の魅力はわかんないだろうけど」
社長がさつきの方に身を乗り出す。
さつきは身を引いたが、背中が壁にぶち当たった。
「そのうち、わからせる」