クールな社長の甘く危険な独占愛
唖然とするさつきの顔を、いたずらっ子のような表情を浮かべてみる。
それからリビングのテーブルの前にあぐらをかいて座った。
「今日の夕飯、何?」
さつきは顔を覆った。
「どうした?」
「……どうもこうも……」
悪魔のような図々しさに、叫び出したいのを必死にこらえる。
「さつき、ちょろいな。コレ、女の子の家に上がる、常套手段だよ」
社長はジャケットを脱いで、ネクタイを緩める。
それから腕をついて、さつきの困った顔を眺める。
「用事は、ないだろ?」
「……はい」
さつきは観念して、うなだれた。
「雇い主を嘘をついて追い返そうだなんて、仕事を舐めてるな」
そんな時だけ、会社モードの冷たい声音。
さつきはもうどうしたらいいのかわからない。
「今日は、外食されるのかと思いましたが」
「いや、先方にまだ次の予定があって」
「……そうですか」
「そんなにがっかりするなよ。傷つくだろ」
社長はそう言って、笑った。
まっとうな方法では、通じない。
この人、どうしようもない。
さつきは社長の目の前に正座をする。
それから、キッと眉をあげた。