彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
寂しくないと言ったら嘘になるが、何?それでも雪は、泣き言一つ言わない。

何故なら、先に寝ている雪を、後から帰って来た琉偉はいつも抱き締めてくれる。

ふと、目覚めると、宝物を抱くように抱いて寝てくれていたから。

知らないことは、眠る雪のいろんなところに、キスしていたこと。

そんなある日、課長と海外へ3週間もの出張に出ることになった。

すれ違っても、琉偉が雪を抱き締めて眠ることで、不安や寂しさを我慢できた。

仕事だから。

そんな事はわかっている。

でも、雪は寂しくて、眠れなくなった。

体調を崩し始めていた。

そんな雪を助けたのは、零士だった。

零士は、麻美や真美には、とても優しく接していたが、雪にだけは、いつも冷たかった。

琉偉の婚約者である雪を好きになれなかったのかと、雪は思っていた。

仕方がない。でも、いつかわかってもらいたい。

雪は努力を続けた。

そんな矢先、雪は体調不良で倒れた。

秘書室の中。

一番に駆け寄ったのは零士。

介抱したのも零士。

二日間。眠り続けた雪が目を覚ました雪の手を握っていたのも、零士だった。
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