彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
…次の日の朝、目覚めた雪は慌てた。

目覚まし時計はもう９時になっている。

完璧遅刻だ。

急いで起きようとしたら、羽交い締めにされて、起き上がれない。

雪はそんな事をしてるのは、一体誰だと見てみると。

「琉偉さ？！「うるさい。シー…」
「あの、でも遅刻」

そう言っても、琉偉は雪を離さないまま、目を閉じている。

「…琉偉さん」
「今日は、俺も雪も病欠になってるから。」

琉偉の言葉に驚く雪。

そんな雪を目を開けた琉偉はまっすぐに見つめて。

「今まで無理させてごめんな、気づいてやらなければいけないのに」

その言葉に、雪は首を降る。

「目の下にクマが出来てる。寝不足だな…独りで眠れなかった？」

雪は涙ぐんで、小さく頷くと、琉偉はたまらなくなって、雪をぎゆっと抱き締めた。

「これからは、何がなんでも、雪を同行させるよ」
「そんな事は…仕事はやはり、課長の方が適任ですし」

「いや、雪に頼む…さぁ、もう少し目を閉じな。ずっと傍にいるから」

そう言うと、雪を抱き締め直して、琉偉は目を閉じた。
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