彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
零士の言葉が引っ掛かりつつも、零士が雪との仕事をしないせいか、はたまた避けられてるせいか、話しすら出来ないでいた。

琉偉が出張から帰る前日。

早くに仕事を終えた雪は、プレゼントを買い、家でのバースデーパーティー用の準備を着々とこなしていく。

ほとんどの用意が出来たところで、インターホンが鳴る。

「…こんな時間に誰だろう」

只今の時刻、午後10時前。

覗き穴から外を確認すると、…零士だった。

雪は鍵を開けて、ドアを開けた。

「…こんな時間にどうしたの?」
「これ…雪さんから兄さんに渡しといて」

…綺麗にラッピングされた箱。

「…もしかして、誕生日プレゼント?」

雪の言葉には答えることなく、帰ろうとする零士に、雪は慌てて手を掴む。

「琉偉さんが嫌いなんて、本当は嘘なんでしょう?本当は好きだけど、素直になれないだけで」
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