彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
「…」

雪に背を向けたまま、でも、手を離すわけでもなく、零士は、黙って立っていた。

雪は、零士の手を、両手で包み込んで、話を続ける。

「一緒にお祝いしよう?もう少ししたら、帰ってくるから」

その言葉に、零士が振り返った。

「…何してる?」

そんな2人を目の前に、帰ってきた琉偉が眉間にシワを寄せ、無言のまま、2人に近づくと、その手を引き離した。

「帰れ零士。お前の顔なんか、見たくない」

勘違いをされ、雪は慌てた。


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