彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜

「黒澤社長、これから本当に長野工場に飛ぶんですか？」

「部下が指示を待ってるんだから、行くのは当たり前だ」
「ですが、今から向こうに飛ぶと、明日の仕事に支障が出ます」

「…そこは、秘書である白井さんの腕の見せ所だろ？」

その言葉にハッとする。

「…わかりました、これから明日の調整します。同行は、課長の方が適任だと思いますが」

「課長は、重役会議で手が離せない。それに、工場は、女子工員の方が多い。課長は男だからな、細やかなフォローは期待できない。白井さんは女だから、細やかなフォローは出来るはずだ。期待してる。ほら、行くぞ」

社長室、カバンとコートを持った琉偉は、下へと下りていく。雪も麻美と真美に事情を伝え、カバンとコートを持つと、運転手に連絡し、下へと急いだ。

…移動中、雪は長野行のチケットを手配し、明日のスケジュールを調整する。琉偉も、工場に連絡し行くまでの事を指示していく。

息をつく暇もなく、一番早い長野行の飛行機に飛び乗った。