彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
琉偉の今日の予定は、ほぼ外回り。取引先への挨拶や、支社の視察など。それに付いて回るのは課長だった為、雪は秘書課のオフィスで、書類整理や電話番、今後のスケジューリングなどを行っていた。
真美や麻美もそれぞれに外回りに同行するため、そちらの電話番まで任された。
一通りの書類整理が出来た雪は、背伸びをして、デスクを離れると給湯室にコーヒーを淹れに行く。淹れてオフィスに戻ると、タイミング良く電話が鳴って、それに出た。
「はい、秘書課です」
『受付ですが、SKファンドの、CEOが、社長にご面会をと申しているのですがどうしましょうか?』
「黒澤社長は今日は1日外回りで、帰ってくるのは夕方になります。そのようなアポも聞いてませんし、日を改めて来てくださいと伝えてもらえますか?」
『わかりました。そのように、え、あの!ちょっと』
受話器の向こうから、何やら言い争う声が聞こえ、雪は怪訝な顔で一度受話器を耳から離す。…すると、今度は男の声が聞こえた。
『もしもし、社長秘書さん?』
「…はい、貴方は?」
『SKファンドの鮫島です』
「…鮫島、さんですか」
鮫島と聞いて、雪は一瞬戸惑った。…でも、先程、受付は、SKファンドのCEOと言っていた。雪の彼だった鮫島義人は、普通のサラリーマンの筈だ。だから、人違い。
『…白井雪さんですよね?』
「…どうして、私の名前を?」
SKファンドと言う社名は聞いたことがなかった。取引先でもないし。
『鮫島義人と言えばわかりますか?』
疑問が確信に変わってしまった。
真美や麻美もそれぞれに外回りに同行するため、そちらの電話番まで任された。
一通りの書類整理が出来た雪は、背伸びをして、デスクを離れると給湯室にコーヒーを淹れに行く。淹れてオフィスに戻ると、タイミング良く電話が鳴って、それに出た。
「はい、秘書課です」
『受付ですが、SKファンドの、CEOが、社長にご面会をと申しているのですがどうしましょうか?』
「黒澤社長は今日は1日外回りで、帰ってくるのは夕方になります。そのようなアポも聞いてませんし、日を改めて来てくださいと伝えてもらえますか?」
『わかりました。そのように、え、あの!ちょっと』
受話器の向こうから、何やら言い争う声が聞こえ、雪は怪訝な顔で一度受話器を耳から離す。…すると、今度は男の声が聞こえた。
『もしもし、社長秘書さん?』
「…はい、貴方は?」
『SKファンドの鮫島です』
「…鮫島、さんですか」
鮫島と聞いて、雪は一瞬戸惑った。…でも、先程、受付は、SKファンドのCEOと言っていた。雪の彼だった鮫島義人は、普通のサラリーマンの筈だ。だから、人違い。
『…白井雪さんですよね?』
「…どうして、私の名前を?」
SKファンドと言う社名は聞いたことがなかった。取引先でもないし。
『鮫島義人と言えばわかりますか?』
疑問が確信に変わってしまった。