彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
「え、でも」
「…普段の琉偉の姿も見て欲しいし」

「…」
「うちにいる時の琉偉は、会社とは正反対ですよ」

そう言いながら、クスクス笑う課長。

雪はこんなに楽しそうに琉偉の事を話す課長を見てるうちに、自分も何だか楽しい気持ちになる。そして自然と顔はほころんでいく。

その時だった。琉偉が話を終え、会議室から帰ってきた。

その琉偉と目が合い、雪は思わず目をそらしてしまい、課長もそれに気づき、困ったように笑う。

「白井さん、社長にコーヒーをお入れして」
「あ、わかりました」

課長提案にホッとした顔をした雪は、そそくさと社長室を出て行った。

「…黒澤社長、…琉偉」
「…会社では、琉偉って呼ぶなと言ってありますよね?」

「…そうだったな、ごめん。…でも、あんまり不機嫌な顔だったから」
「…」

「…明日、うちに来い。良いもの見せてやるから」
「…いいもの?」

「だから、機嫌を直せ。あー、お前の驚く顔が早く見たいなぁ〜」

なんていいながら、課長も社長室を出て行った
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