彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
…それから、準備が出来るまで、ぎこちない雪と琉偉だったが、有斗や優希のおかげで、ぎこちなさもなくなっていく。

課長は、さつきの手伝いで、テーブルに料理を並べている。そんな時、優希がグズリだし、琉偉が抱っこしてあやしてみるも泣き止まず、見兼ねた雪が、琉偉から優希をもらい、抱っこしてあやすと、ピタリと泣き止みニコニコ顔に変わる。

「…優希は白井さんが好きなんだ」

そう言うと、ちょっと拗ねてしまった琉偉を見て、雪はクスクスと笑っている。

「何がおかしい？」

相変わらず拗ねた顔でそう言う琉偉。

「だって…どっちが子供かわからないから」

と、雪はまだ笑っている。

そんな雪を見て、拗ねていた琉偉も、柔らかい表情に変わっていく。

仲睦まじい雪と琉偉を見て、課長とさつきは顔を見合わせ、微笑んだ。

和やか雰囲気のまま、あっという間に時間が過ぎていく。その間、雪とさつきは、本当に仲良くなり、連絡先を交換していた。

夜ご飯までご馳走になり、遅くなってしまった雪。そこでさつきは、琉偉に雪を送るよう提案した。

琉偉は、雪を助手席に乗せると、車を走らせた。

さっきまでの和やかさはなく、静かな車内に、2人はどうしていいものかわからなかった。
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