彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
しばらく抱き合ったまま、ただ時間だけが過ぎていく。

…ふと、雪が掛け時計に目をやってハッとする。そして勢いよく琉偉から離れると、口を突いて出た言葉が。

「ゴメンなさい!今日はゆっくり琉偉さんに休んでもらおうと思ってたのに、これじゃあ、ゆっくりできませんよね?か、帰ります」

そう言って立ち上がろうとした雪だが、琉偉がまた、自分の方に引き寄せた。

「…そんな事ない。さっきだって、傍にいて欲しくて、電話したんだ。今こうやって傍にいてくれて、嬉しい」

「…」

困ったように微笑めば、琉偉も優しい笑みを浮かべた。

そしてまた、琉偉は雪を抱き締めた。

「もう少し、こうしててもいい?」
「…もう少し、だけなら」

ソファーに座ったまま、抱き締め合うこと、数分。琉偉のお腹がなり、2人で笑う。

そして、雪は、自分が持ってきた物を思い出し、いるか尋ねると、いるというので、準備して、2人で食べた。
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