彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
●想いを言葉にして
…相馬の前にある、大きなベッドには、雪が眠っていた。
突然目の前に現れた相馬に驚いている雪に、相馬は無理やりハンカチを口に押し当て、薬を嗅がせ、眠らせた。
どんなに汚いと言われても、どんなに卑怯だと言われても、相馬は雪が欲しかった。
それほどまでに、相馬は雪を愛していた。
…琉偉に見せられた大量の資料が脳裏をよぎる。
今まで、相馬の仕事は、誰が見ても、綺麗な仕事じゃなかった。そんなことは分かっていた。
だが、飛天がホテル業界で一位を取り続けるためには、仕方がなかった。
黒い自分を隠して、愛して止まない女を手に入れる。
それが目の前にあるのに、叶うことはない。
…既成事実を作れば、雪は手にはいる。あの資料なんて、捻り潰せる。
やろうと思えばいくらでも手はある。
だが、相馬はそれはしなかった。
こんなに純粋で、綺麗な雪を傷つける事が出来るわけがなかった。
ベッドで静かに眠る雪の髪を優しく撫でる。
すると、雪が少し身じろぎした。
それに驚いた相馬は、その手を思わず離した。
…こうやって触れることすら緊張する。
天下の飛天旅館の社長たる大の男が、好きな女に一喜一憂する。
相馬は、なんだか自分に呆れた。
「…ここは」
しばらくして、雪が目を覚ました。
…手の温もりに気づいた雪は、自分の手に視線を落とした。
…大きな温かな手。
その手を辿ると、誰かが眠っていた。
突然目の前に現れた相馬に驚いている雪に、相馬は無理やりハンカチを口に押し当て、薬を嗅がせ、眠らせた。
どんなに汚いと言われても、どんなに卑怯だと言われても、相馬は雪が欲しかった。
それほどまでに、相馬は雪を愛していた。
…琉偉に見せられた大量の資料が脳裏をよぎる。
今まで、相馬の仕事は、誰が見ても、綺麗な仕事じゃなかった。そんなことは分かっていた。
だが、飛天がホテル業界で一位を取り続けるためには、仕方がなかった。
黒い自分を隠して、愛して止まない女を手に入れる。
それが目の前にあるのに、叶うことはない。
…既成事実を作れば、雪は手にはいる。あの資料なんて、捻り潰せる。
やろうと思えばいくらでも手はある。
だが、相馬はそれはしなかった。
こんなに純粋で、綺麗な雪を傷つける事が出来るわけがなかった。
ベッドで静かに眠る雪の髪を優しく撫でる。
すると、雪が少し身じろぎした。
それに驚いた相馬は、その手を思わず離した。
…こうやって触れることすら緊張する。
天下の飛天旅館の社長たる大の男が、好きな女に一喜一憂する。
相馬は、なんだか自分に呆れた。
「…ここは」
しばらくして、雪が目を覚ました。
…手の温もりに気づいた雪は、自分の手に視線を落とした。
…大きな温かな手。
その手を辿ると、誰かが眠っていた。