深夜0時、キミと待ち合わせ。


ブーブーと不満気に抗議をしてくる真夜中くんを引き連れて、教室に戻ることにした。

朝の読書の時間、始まっちゃうし。

私にとって、あの時間は静かに本が読める数少ない時間。
普通の休み時間では、周りの音が気になってしまうから。


ふたりで教室に入ると、ワッとざわめきが起きた。

……え?


見間違いかと思ったけれど、そうじゃない。
女子の好奇心に満ちてキラキラした瞳は、私たちに向けられている。


「ねえねえ!無言姫と真夜中くん付き合ってたの?」


はやる気持ちを抑えきれない。そんな様子の女子が、私と真夜中くんを交互に見る。
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