深夜0時、キミと待ち合わせ。
「つきあっ……?……て、ない!ないです!」


私は、ブンブン頭を左右に振って否定。

なのに、真夜中くんはのんきにあくびをしながら、自分の席に真っ直ぐ向かっていった。

こんな状況ですら、マイペース。

一緒になって否定してくれればいいのに。
好きな子が、ここにいるのなら、なおさら……。


「付き合ってないのー?嘘ぉ。なーんか、もう、あんなの初めて見た。ドラマみたいだったよー!」

「ねー、びっくりした!あれやばいわ」

「は、はぁ……」


私は、そんなつまらない返ししか出来ない。
だからこその、無言姫……。


「いいなぁ。真夜中くんってさ、いつも寝てるから分かりにくいけど、実は結構イケメンだよね」

「確かに。無言姫とだと可愛いカップルに見えるよ」


嬉しいような、切ないような……。

真夜中くんの好きな子が、聞いていないといいんだけど。


私は、真夜中くんをチラッと見る。

いつも通りの熟睡。

……このクラスじゃないのかな……。
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