深夜0時、キミと待ち合わせ。
昼休みになって、それでも眠っている真夜中くんを横目に、私は購買に行くために席を立った。
今日はすごく天気がいいから、中庭にでも行こうかな……。
あそこには、ベンチがあるし。
誰もいなければいいけど……。
教室を出ようとしたら、
「レイジー!レイジいるか?」
男子が、扉の前で叫んだ。
最近聞いたばかりのような声だった気がしたから、同じクラスかと思ったけど違った。
レイジ?
その名前って……。
「あれ?お前、隣のやつじゃん。誰探してんの?」
一番近くにいた男子が、声をかける。
そっか。隣のクラスだから、つい最近見かけただけか。
「あ、レイジいる?」
「誰だそれ」
「いや、新谷。新谷レイジってこのクラスだろ」
あきれ気味に発せられた名前で、ようやく気づく。
真夜中くんって呼びすぎて、彼の本名がピンとこなかった。