深夜0時、キミと待ち合わせ。
真夜中くんは、私の体を支えるようにして、ゆっくりと本棚のふたりから離れていった。

ずっと口を塞がれたまま、肩を抱かれて、……気を失いそう。

全く自慢ではないけれど、男子とこんなに近づいたことなんかないわけで。

み、密着……!


3階まで上がり、ようやく私は解放された。


「ぷは……っ」

「あ、ごめん。苦しかった?」


汗だくな私を涼しい顔で見る真夜中くん。

なんでひとりだけ余裕なの……。
同じものを見たはずなのに。


思い出して、また顔が沸騰しそうになった。


「図書館であんなことを……」

「ん?音無さん、あれ見たの初めて?ここ寮の真ん中だし、結構いるよ」

「!!」
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