深夜0時、キミと待ち合わせ。
「昨日も、ずっと待ってたんだけどなー」

「それって、私を?」

「他に誰がいんの」


そっか。
そうなんだ……。

私は、真夜中くんの中に少しでも存在している。

嬉しい……。


「昨日は、部屋で柿崎と一緒だったってこと?」

「う、うん……、話をしてて……」


初めて、真夜中くんの口から柿崎さんの名前を聞いた。

何だろう、この気持ち……。

ちょっとずつ酸素を奪われるような、息苦しさ。


「無言ちゃんの同室の子っていうのは、柿崎だったか……、そっか」


ため息と一緒に放たれた、諦めに似た口調。


「確かに、無言ちゃんが言う通り、“いい子”だ」

「……うん」


本当に、この息苦しさは何なんだろう。
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