深夜0時、キミと待ち合わせ。
なんて言えばいいのか分からない。

両想いだったのは間違いないと思うのだけど、何も知らない私がそんなことは言えない。

それに、柿崎さんは今は佐伯くんのことを……。


「……」

「今日のレイジくん見たらね、ののがフラれたの、しょうがなかったなって思う」

「ど、どうして……?」

「だってレイジくん、ののの肩で眠ったりしなかった。ずっと名字以外で呼ぼうともしなかったし、結構無理して笑ってた気がする。あんなの見たことない。紗帆ちゃんは特別なんだよ」

「そんな……」


それは違う。

柿崎さんは、好きな人だから。

無理して笑っていたのは、意識していたからなんでしょう?

女の子扱いしているからこそ、気軽に肩なんて借りない。

特別なのは、柿崎さんなのに……。
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