深夜0時、キミと待ち合わせ。


今日の5時間目は、移動教室。

お昼が終わって、早めに移動しようと、教科書とノートを胸に抱えてひとりで教室を出る。


「無言ちゃん、俺のこと見すぎだよ。落ち着いて寝れないんだけど」

「ひゃあっ!?」


私ひとりのはずなのに、すぐ背後から聞こえてきた声に、悲鳴を上げてしまった。

この呼び方は……


「ま、真夜中くん……、何で起きてるの?」

「まずそういうこと聞くんだ?無言ちゃんにずっと見られてるから、気になって目が冴えてんじゃん。どうしてくれんの」


冴えているという割には、ずっと眠そうに目をこすっているのが気にかかる。

私は、黙って床に視線を落とす。

そんなに、見てた……?

自分では全然気づかなかった。
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