深夜0時、キミと待ち合わせ。
「それが本音?」


相変わらずの低い声に、体が強ばってしまうけど、


「……」


私は小さく頷いた。


大きなため息が目の前から聞こえて、あんなに強く掴まれていた手は、呆気ないほどにあっさりと離された。


「分かった。じゃあ俺、明日柿崎に会ってくる」

「っ……!」

「なに?」


私はとっさに真夜中くんの手をつかんでしまった。

すぐに離して、手を背中に隠す。


「……うん、頑張って……」
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