深夜0時、キミと待ち合わせ。
柿崎さんは、ワーッと一息で喋り立てた後、火が消えるようにフッと元気をなくした。


「話があるって言われた……、明日……」


するんだ、話。本当に。

息が詰まりそう。
覚悟はしてきたはずだったのに。


「紗帆ちゃんにはちゃんと言わなきゃって思って……、どうしよう……」

「聞いて、真夜中くんの話。私のことなんて考えなくてもいいから……。きっとすごく大事な話なの……」


あんなにいっぱい泣いたのに、際限なくまだ溢れてきそう。

それをぐっと堪えて、私は柿崎さんに頭を下げた。


「お願いします」

「やっ、やだ!そんなことしないで!紗帆ちゃん!」


柿崎さんが、泣きながら慌てて止めに入る。

私の目も、結局涙を我慢出来なかった。
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