深夜0時、キミと待ち合わせ。
「あ、あの、紗帆ちゃん」

「ん?」

「あの……、ののね……」


柿崎さんが、言いにくそうに両手をもじもじと忙しなく触る。


「……んーん、なんでもない。着替えてご飯行こ?でもこの顔で行ったら、ブスすぎて皆に引かれちゃうかもー」


無理に明るく振舞ってるのが分かった。

まだ私に遠慮してるのかな……。


私は気づかないふりをして、精一杯の笑顔を作って頷いた。
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