深夜0時、キミと待ち合わせ。
今日も、何の本も収めていないブックカバーをかばんに入れて、私は学校へ行った。
早く着きすぎたのか、教室にはまだ人がほとんど来ていない。
たとえそこが無人でも、自分の席よりも先に彼の席に目が行くのは、もう癖づいてしまって直りそうもない。
――『音無は、真夜中しか見てないから』
鈴木くんからの指摘を思い出して、顔が一気に熱くなる。
眠り猫のブックカバーを取り出して、少し眺めていたけど、切なさを隠しきれなくなるから、目の届かないところへしまい込んだ。
登校してきた真夜中くんは、放課後までぱっちりと目を開けていた。
朝も、昼も、夜も眠れない理由。
それが、少しでも私のせいならいいなって……、未練がましい欲が出た。