深夜0時、キミと待ち合わせ。
「寮でも」。そう言うってことは、教室でも同じなんだろう。

頑張って笑って、人に心配をかけないように辛い気持ちを隠して。

佐伯くんには、本人に何も聞かなくても見ているだけで分かってしまう。

……好きだから。


「佐伯くん、ごめんなさい……っ」

「え?なに?どうしたの」

「私……」


口癖がうつるほど一緒にいて、毎日そばにいて、大好きな女の子がいなくなった。

ふたりの幸せそうなデートを思い出して、胸が痛くなった。


私は、これまでのことを佐伯くんに話した。
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