深夜0時、キミと待ち合わせ。


「そっかー……、レイジ告るんだー、そっか……」


佐伯くんは、ショックを隠すように苦笑いを見せる。


「ごめんなさい……」

「なんで音無さんが謝んの。何も悪いことしてないじゃん」

「私が……、柿崎さんに告白しないの?って……言ったから」


あの瞬間の、真夜中くんの顔が、今も忘れられない。


「いいんだよ、どっちかって言うとさ、元々は俺のせい。ののかとレイジが両想いだって知ってて、それをふたりに黙ったまま……。
本当なら、俺の場所にはレイジがいたんだから」

「そんなこと……!」

「ごめん、音無さん、巻き込んで」

「っ……」


自分が辛いのに、私を気遣う。
柿崎さんと同じ……。

私は、顔を左右に何度も振った。


「実はついさっき、ののかからライン入ってたんだ。話したいことがあるとかって……。それのことかな。キツいな……」
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