深夜0時、キミと待ち合わせ。
佐伯くんは頭を触って、うつむく。

別れの話……、なのだろうか。

胸がぎゅっと縮まる。


「あ、あの、柿崎さんは、本当に佐伯くんのことが好きだった……。佐伯くんの話をする柿崎さんは、いつも可愛かったから……」

「そうかな。そうだったらいいな。俺には今さら何も言う資格ないけど。音無さんは平気?レイジのこと好きだったんじゃないの」

「はい……」


好きだけど、それは今でも変わらないけど、……だけど。


「好きな人の好きな人になるのは、難しいみたい……」


だったらせめて、真夜中くんが幸せなのがいい。


「レイジは音無さんのこと、かなり好きに見えたけど」

「ありがとう……」


初めての恋は、頑張ることも諦めることも、上手くできない。
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