深夜0時、キミと待ち合わせ。
一時間目が終わり、休み時間。

友達がいない私は、ひとりで文庫本を読んでいた。

パラパラめくってしおりを挟んだページを探り当て、朝の続き。

校内に図書室があれば、そこにいくのに。
この学園には、資料室しかない。

はぁと、ため息をひとつ。

教室にいるの、疲れるのにな……。


「音無さん、日本史のノートある?先生に集めてきてって言われてるの」


頭上から声をかけられ、見上げてみると、クラスメイトの女子がいた。

両手で、数冊のノートを抱えている。


「はい」


机から出したノートを差し出す。


「ありがとう。ねぇ、いつも何の本読んでるの?」

「えっと……、小説」

「おもしろい?」

「……はい」

「あ、そうなんだ……」

「……」


会話が途切れ、女子は自分の友達のところへ行ってしまった。
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