深夜0時、キミと待ち合わせ。
朝食が終わって、寮を出る時間になっても、私の髪型はそのまま。

柿崎さんは、朝は彼と一緒に通学するために男子寮に行ってしまうから、ここからは私ひとり。

これで、教室に入る……。

緊張する。


私が髪型を変えたくらいで、誰かに影響を与えるとか図々しいことを思っているわけじゃないけど。

朝食の時に同じクラスの女子からちょっと遠巻きに噂されたのは、聞こえてしまった。


柿崎さんのときみたいに、少しでも「可愛い」なんて思ってくれるかな……。


さっきから、私がひとりの顔しか思い浮かべられないのは、他にちゃんと話ができる人がいなかったから。

……それだけ。
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