深夜0時、キミと待ち合わせ。
私は目を閉じて、頭を下げた。


「……ごめんなさい」


どくんどくんと、胸がざわつく。

自分を好きだと言ってくれた人を、失う一言に。


「……え?」


鈴木くんが聞き返す声に、私はビクッと顔を上げた。


「はは……、なんだ、やっぱり真夜中と付き合ってんじゃん?」

「ち、違う……!真夜中くんは関係ないです……」

「“真夜中くん”?音無、人と喋んないくせに、あいつのことはそんな呼び方してるし」

「それは……」


この先が、続かない。

元々、人とまともに話せないことも手伝って、余計に。
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