深夜0時、キミと待ち合わせ。
「や、やめて……」


懇願しても、聞く耳を持ってくれない。


「くそっ……、俺のものにならないなら――」

「っ……!」


強く引き寄せられ、息が止まった。

顔が近くて、視界のピントがズレる。


「――やめ……っ!!」


キスされる。

そう思った、その時。


「そ、それはさすがにアウトでしょ」


私の体は、誰かの腕の中に移動していた。

後ろから抱きしめるその人は、ハァハァと息切れをしている。
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