深夜0時、キミと待ち合わせ。
涙目で振り向くと、そこにいたのは――


「真夜中くん……」

「はぁ、はぁ……、ちょ、待って、俺運動不足……。いつも寝てるから……」


苦しそうに呼吸を繰り返しながら、私の体をしっかりと抱きしめている。

走ってきてくれたからか、体が熱い。


「真夜中、なんで……」

「あー、やっぱお前もそんな呼び方か。まー、いいけど。ダメだろ鈴木ー、諦めの悪い男は嫌われるぞ。強引なのが許されるのは、「ただしイケメンに限る」だから」

「な……っ!」

「好きな女の子泣かせてまでやるのは、男のやることじゃねーぞ。多分」


来てくれた……。

助けてくれた。

どうして?


「なんだよ!結局お前ら付き合ってんじゃねーか!」

「は?付き合ってねーけど、助けたくなった。悪いか」

「ーー!」


鈴木くんは、悔しそうな表情で、きびすを返した。
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