深夜0時、キミと待ち合わせ。
昨日は、この辺で声を……


「無言ちゃん、こっちだよ」


ちょうど3階に到着した時、私を呼ぶ声が。

……いた。

口元がゆるんでしまった気がして、手で押さえた。


3階の、6人がけテーブルにだらんと体をあずけてのんびりしている真夜中くんは、そのだらしない格好のまま私に手招きしている。


会いたかった。

そんな言葉が出そうになって、グッと口をつぐむ。


だめ、違う……。


「あれ、あの髪型やめたの。いつもの無言ちゃんじゃん」

「もうお風呂に入ったので……。下ろしてるだけ……」


そう、それだけ。

深い意味は無い。
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