深夜0時、キミと待ち合わせ。
「えー、そんで、またわざわざ制服着てんだ?」

「だって……、図書館には制服じゃなきゃダメだって、校則に書いてあったから」

「マジ?校則なんか見たこともないや。偉いね」

「真夜中くんだって、制服でしょ……」

「あー、俺はね、朝派だから。風呂場ひとりじめ出来て最高だよ」

「へぇ……」


どうしよう、何だかくすぐったい。

下ろした前髪が、額に触れているせいかもしれない。


「なーんだ、ただ風呂入ったからか」

「?」


わざとらしく残念そうに唇をとがらせる真夜中くんの、目の前に座る。


「俺が、それ好きって言ったからだったら、よかったのに」
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