深夜0時、キミと待ち合わせ。
「ねぇー、もぉー、紗帆ちゃん聞いてぇー!今日ね、うちのクラスに蜂入ってきたんだよ!男子が窓開けっぱなしにしてたの!誰もやっつけようとしないから、大変だった!」


柿崎さんは、隣のクラス。

そういえば、3時間目に、壁越しに悲鳴が聞こえてきたような……。


「みーんな机の下に隠れちゃってさ、蜂の音だけすんの。すっごい怖かっ……」


大きな手振りで状況を必死に説明する柿崎さんが、ピタッと止まった。

彼女のスマホが、ラインメッセージを受信し、電子音が鳴った。


「あっ。タケくん帰ってきたっ」
< 9 / 360 >

この作品をシェア

pagetop