深夜0時、キミと待ち合わせ。
せっかく座ったところだったけれど、まだ今夜の本を選んでいなかったことに気がついて、また席を立った。


「どこ行くの?」

「!」


机の上で手を伸ばした真夜中くんに、制服の袖をつかまれ、ピンッと腕が張る。


「本棚……に、行くだけ……だから」

「ああ、そういえば持ってないね」

「うん……」


上目遣いで、甘えるようなその仕草は、恋をしていなくてもきっと誰だってドキドキしてしまう。


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