深夜0時、キミと待ち合わせ。
パッと袖を離され、私はやっと自由を得た。

真夜中くんから逃げるように離れ、深呼吸。

息をするのって、こんなに難しいことだったの?

苦しかった……。


「無言ちゃん」


背中から名前を呼ばれ、ゆっくりと振り向く。


「早くね」


机にもたれて、手を振る彼。

そこには、いつもの真夜中くんがいた。


ドキドキ……する。

違う。
こんなの、私じゃなくたって、きっとこうなる。

……そうじゃなきゃ、困る。
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