深夜0時、キミと待ち合わせ。
胸を押さえながら、本棚の前に。

古い本のにおいが近づいて、心が落ち着いてきた。

本棚から1冊抜き取っては、最初の3ページだけを読んで、戻す。

どれにしよう……。


4冊目に手に取ったのは、学園恋愛もの。

こういうの、あまり読んだことがないけど……。


パラッとページをめくって目を通し、片手に抱えた。

これにしようかな。


真夜中くんのいる席に戻ると、彼は同じ格好のまま机に体をあずけていた。


「おかえり」

「……ただいま」


変な会話。

また、くすぐったい。
前髪をひと房、指でつまむ。
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