~こどもの恋愛~それから…1
「・・・おはよう。いよいよ卒業式だな。」
「うんっ。あ、神谷さん?夜会えるかなぁ?お母さんが、お祝いしてくれるって・・・。」
「あぁ、少し遅くなるかもしれないけど、打ち上げ終わったら行くよ。」
留里の両親は、俺達のことをずっと見守ってきてくれたんだ。
本当に感謝してる。
きちんと挨拶に行かなきゃな・・・。
「じゃぁ、またあとでね。」
「あっ、留里?・・・・・・卒業おめでとう。」
「うん、ありがとうっ」
嬉しそうに笑う留里の顔が頭の中に浮かんだ。
俺達の付き合いを隠すために、留里にはたくさん辛い思いをさせた。
けれど、留里は一度も辛いとは口にしなかった。
俺を責めることもなかった。
そんな留里がたまらなく愛おしかった。
これからも、そんなあからさまにはできないけれども・・・。
でも、立場は変わるんだ。
俺は、これから、留里を「俺の恋人」って、自慢できるんだ。