~こどもの恋愛~それから…1
誰もいないはずの部屋に明りが灯っていた。


玄関には、留里のお気に入りのサンダルがあった。



「ただいま。」



……なぜか、返事も気配もなかった。



「留里?!」



リビングへ向かうと、ソファに留里がいて眠っていた。



キッチンからは、カレーの匂いがした。


全身の力が一気に抜けた…。


留里も疲れてるのに、俺のためにここへ来て、料理を作って、待っていてくれたんだ。



「…ありがとな。」


眠っている留里の、柔らかい髪を撫でながら呟く。


このまま、時間が止まって欲しいと思った。
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