別れ話。
16時35分。
わたしはトイレで念入りにメイクを直した。
だって今日はきっと最後の日だから。
鏡の中にはパッチリ二重の女の子。
「ふってやれ。」
その女の子に向かって心の中で叫んだ。
駅の改札口で待ってると、彼氏は3分くらいで来てくれた。
「久しぶり。」
彼氏はへらっと笑った。
LINEではそっけなかったくせに、会うとへらへら笑う。いつもそう。
今日はふってやるって怒っていたのに、そんな笑顔を見てしまうと
からまっていた糸がほどけるように、わたしの気持ちも冷めてしまう。
ファミレスに着くと、「なに食べよっか」ってメニューを見せてくれる。いつものように。
「そういえばこの前学校でさ…」
彼氏はいつも通り。
だけど、どこか落ち着かなくて、緊張しているようにも見える。
そんな話がしたいんじゃないでしょ。
わたしは少しイライラし始めた。