二十年目の初恋
二十年目の再会 1

 夜の街を走る車の助手席に座っていた。
 運転しているのは悠介、中学時代の同級生。
 
 卒業してから二十年が経ち、きょう学年全体の同窓会があった。先生方も出席され懐かしいたくさんの顔に久々に再会した日だった。

 悠介と会うのも卒業以来だったけど、なぜか、すぐに分かった。

「優華? ゆうか? だよな?」
 私もすぐに分かったらしい……。

「お前、背伸びた? もっとチビだったと思ったけど……」

「卒業してから伸びましたから……」

「へぇ、女の子にしては珍しいよな」

 もう女の子って歳じゃないけど……。

 三時から始まって五時過ぎには、それぞれクラス単位、部活単位、仲良しグループ単位など、思い思いに分かれての二次会。悠介と私は、なんとなくクラス単位の二次会に流れて行き、たまたま家の方向が同じ……というか通り道だったので

「送るよ」
 と言う悠介の車の助手席に乗っかってる。

「そういえば、彼女と話したの? テニス部のマドンナと」

「いや。話してない」

「なんで? 学校中公認の仲だったじゃない?」

「あの後、高校の時も付き合ってたけど……」

「なに? 悠介が浮気でもしたの?」

「いや……。された……」

「えっ?」

「大学生のイケメンに、サラッと持ってかれた」

「へぇ、悠介君、失恋の巻だったんだ……可哀想」

「お前は?」

「私のなに?」

「旦那とは上手くいってるのか?」

「う~ん……。いわゆる別居中よ」

「なにかあったのか? それこそ旦那の浮気とか? ……図星か?」

「そんなとこかな……」

「ふ~ん。お前でも浮気されるんだ」

「お前でもってどういう意味?」

「お前は知らないだろうけど、男子に人気あったんだぞ」

「はぁ? 私が? なにかの間違いでしょ?」
 とケラケラ笑った。

「俺、本当は、お前のこと好きだった」

「冗談キツイよ。悠介君」

「でもお前、先輩と噂あったし……」

「あぁ、あれは噂だけ。火もないのに煙だけ立ってた」
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