二十年目の初恋
お盆休み 3
「酔ったのか?」
「ううん。そんなことないよ……」
「しょうがないな」
って笑ってる悠介に抱き上げられた。そっとベッドに降ろされて悠介の優しい目で見詰められて……。
「優華、愛してるよ」
悠介の深いキスで心も体も熱く溶けて行く……。そのまま悠介の魔法にかけられて悠介の肌の熱を何度も感じて愛される悦びに私は意識を手放していた……。
愛する人にこんなにも愛されて幸せだった。髪を撫でられて、そっとキスされて悠介の胸で悠介の愛に包まれて眠った。
もう朝がすぐそこまで来ていた……。
朝……。といっても、ほとんどお昼に近い遅い朝。悠介にキスされて目覚めた。
「おはよう。もう起きてたの?」
「さっき起きたところだよ」
「まだ眠い。お昼まで眠っていいって……」
「いいけど。じゃあ、ずっとこのまま眠っていようか?」
「何時?」
「もう、お昼に近いけど……」
「えっ? じゃあ支度して出掛けないといけないじゃない」
「思い出した?」
「そうよ。実家へ行かなきゃ」
「う~ん。でも今夜は別々だから行かなくてもいいけど」
って笑ってる。
悠介の意地悪……。
「駄目よ。そういう訳にはいかないもの」
「分かってるよ。シャワー浴びてから行くか? ほら起きて優華」
本当はまだ眠いけど、そうもいかない。二人でシャワーを浴びて、すっきりして食事は簡単に済ませて出掛けた。和菓子屋さんに寄って、お土産も買って。
*
悠介の実家に着くと二人の母親がキッチンで大忙し。父親たちは手持ち無沙汰で……。
夕方から食事が始まった。たくさんのお料理を囲んで飲んで食べて、昔話に笑ったり、笑い過ぎて涙が出るくらい。やっぱり家族って大切なんだと思う。いつでも温かく迎えてくれる。
明日みんなで一緒に墓苑に行って、お墓参りする約束をして私は両親と実家に帰った。
何年ぶりだろう? 実家に泊まるのは……。私がいつ戻ってもいいように部屋はそのままにしてくれている。
子供は何歳になっても親から見れば子供なんだと思う。社会的地位とか収入とか、そんなの一切関係ない。永遠に親にとっては可愛い子供なんだろうと思う。