二十年目の初恋
愛される資格  5
「駄目よ。まだ引っ越し済んでない。きょうも、すること、たくさんあるのよ」

「これも、その内の一つだよ」

 悠介にキスされてた。唇が触れるだけのキスじゃない。深いキス……。

 駄目だ。また悠介の魔法にかかる。真っ白なコットンのワンピースも簡単に脱がされる。

「白雪姫みたいだ。優華の肌、綺麗だよ」

 悠介は私よりも私の体を知っている。一番敏感な場所も、思わず声が出てしまう場所も。どんなに心で抵抗しても体は正直だから……。

 結局、私は悠介に翻弄されて、何度も意識が遠退く……。雲の上を漂っているような感覚に怖くなる。

「優華の肌、ピンクに染まって、すごく綺麗だ。もっと感じて。恥ずかしがらないで。俺だけの優華」

 悠介は私の全てを愛して優しく責め続ける……。悠介の手も指先も全てが愛おしい。熱くなっていく悠介の体温が唇が……。離れたくない。ずっとずっと、もっともっと感じさせて欲しいの……。


 どれくらい眠っていたんだろう。悠介の腕の中で……。熱を帯びた体を鎮める方法が見付からない。

「優華、大丈夫か ?」

 髪を撫でながら悠介が聞いた。

「ううん。大丈夫なんかじゃないの。悠介……」

 もう悠介から離れるなんて、きっと出来ない……。

「どうした ?」

「私……悠介に抱かれると私じゃなくなるの。自分で自分が分からなくなるの。怖いの」

「怖くなんかないよ。優華、すごく綺麗だよ。俺の腕の中で、もっと綺麗になって最高に可愛い女になって行くんだ。言っただろう ? 俺たち体の相性も最高だって。優華の表情や声が堪らなく可愛くて何度抱いても、また抱きたい。そう思える女は優華だけだよ。俺の全てを懸けて愛したいと思ってる」

「本当 ? 私、嫌な女じゃない ?」

「バカだなぁ。そんなこと考えてたのか ? 俺はもっと優華を感じさせたい。もっと乱れさせたい。そう思ってるのに」

「そんなの……恥ずかしい」

「恥ずかしくなんかないよ。最高にいい女にしてあげるから。他の男に見せる訳じゃないんだから。俺だけになら見せてくれるだろう ? 優華のどんな姿も見せて欲しい。嫌か ?」

「どんなって ?」

「別に常識を超えた世界に走る気はないから。優華の嫌がることはしないし、ずっと優華を愛したい。それだけだよ」

「私も、ずっと悠介に愛されたい」
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