二十年目の初恋
専業主婦 3
「秘書として優華のことを認めてくれているから誘ってくれたんだと思うし、それならその期待に応えるのも、いいんじゃないかなと俺は思うけど」

「そうね。幸せなことよね」

「優華を必要としてくれる人が居るってすごいことなんだと思うよ」

「うん。じゃあ悠介は ?」

「俺 ?」

「私が必要 ?」

「決まってるだろう。優華が必要だから今ここに一緒に居るんだろう ?」

「うん……」
 嬉しかった。すごく……。

「きょうは色々あって疲れただろう ? もう休もうか ?」

「そうね」

「あっ、優華」

「なに ?」

「一つだけ言っておくけど、学長と違って、俺は生涯ずっと優華が必要だから」

「うん。私も……」

 悠介の熱い唇に唇が塞がれた。触れるだけじゃなくて、悠介の熱が伝わってくる深いキス……。そのまま抱き上げられた。優しくベッドに降ろされて、私の髪を撫でながら

「優華、疲れてるんじゃないのか ? 今夜はこのまま眠る ?」

「このままじゃ嫌。眠れない。悠介が……欲しいの」

「初めて言わせた」

 唇に頬に顔中にキスの雨。

「このままじゃ眠れないのは俺の方だよ。優華……愛してる」

 悠介に心から愛される悦びを教えて貰ったから……。耳元で囁かれる愛の言葉。私に、そっと触れる指先。あらゆるところに落とされる唇。悠介の肌の熱さと優しく見詰める眼差し。溶けてしまいそうなほどの熱を体で心で感じてる。

 悠介を心から愛してる。私の何もかも全てで……。そう思った時、私の目の前が、頭の中が真っ白になった。

 目を開けると悠介と視線が絡んで。

「優華……」

 そっと頬を撫でられて優しくキスされた。

「悠介、私ね。やっぱり悠介の傍に居たい。いつも悠介のこと想っていたいの。悠介の腕の中が一番好きなの。いけない ?」

「いけなくはないけど。そんなに急ぐの ? 後悔しないようにもう少し考えてみたら ? 優華がどんな選択をしても俺は協力するよ」
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