二十年目の初恋
一日目 6
「仕事してたって悠介の傍に居るじゃない。一緒に住んでいるんだから」
「男って、みんなそうだと思うけど、やっぱり独占欲強いんだ。優華を俺だけのものにしたい。他の男の傍に居て欲しくない」
「どんな職場にも男の人は居るわよ。でもそれだけのことでしょう ? ただの仕事仲間。それでも嫌 ?」
「今度の大学に、また理事長みたいな奴が居るかもしれない。だから心配なんだ……」
「私が悠介以外の人を好きになるとでも思ってるの ?」
「そうじゃないけど、それくらい心配なんだよ」
「心配してくれるのは嬉しいけど、私が信じられない ?」
「俺、こんなに嫉妬深いとは自分でも思わなかったよ。優華を信じてるよ。ごめん。さぁ、シャワー浴びるか」
お風呂から出て
「優華、ビール飲む ?」
「きょうはいい。アイスクリームにする」
ソファーに並んで座って
「明日で優華の引っ越し終わるんだよな」
「うん。もう私、ここしか居場所なくなるの」
「俺の傍が優華の居場所なんだろ ?」
「うん。そうだよね。悠介の傍に居ていいんだよね ?」
「俺が優華に傍に居て欲しいんだって、何回言わせる気なんだよ ?」
「何回でも言って欲しい」
「優華、生涯俺の傍に居て欲しい。優華の居場所は俺の傍だけだ。生まれ変わっても、ずっと俺の傍に居るんだ。分かったか」
「うん。ありがとう」
悠介のその言葉は何度聞いても嬉しくて、とっても幸せな気持ちになる。
「明日、引っ越し屋さん何時だっけ ?」
「十時にマンションに来てくれるけど」
「じゃあ、もう寝ようか。遅れたら大変だから」
「アイスクリームも食べ終わったし」
スプーンを片付けて……
「おやすみ」
一人でベッドに直行。
「あっ、こら優華、待て」
「嫌っ、待たない」
ベッドに潜り込んだ。