明日の君と
早いもので、この4月で私が高松に帰ってきて、もう4年になる。
上京して過ごした4年間も早く感じたが、母親のもとに戻り祖父の知り合いのこの会社に勤め始めてからの4年は同じ4年であってもさらに早く感じていた。
そのことを母親に話すと
「あなたも歳をとったってことよ」
と、軽く笑いながら流された。
でも、子供の頃の小学校の6年間とかはすごく長く感じたんだけどな、と母親に返すと
「それはね、里沙、12歳の子供にとっての6年はそれまでの人生の半分だけど、26歳のあなたにとっての4年は1/6以下なんだから当たり前よ。私なんか4年なんてあっという間よ」
と、理にかなっていない答えが返ってきた。
「まあ里沙、何はともあれ、あなたも今日で26歳ね。お誕生日おめでとう。そろそろいい人見つけておかないと、あなたもあっという間に30歳よ。それこそこれからの4年なんてあっという間なんだから」
母は真剣とも冗談ともとれない言いようで笑った。
「それにしても4月2日生まれって今になると損よね。だって同じ学年の人達のなかで一番最初に年とっちゃうんだもん」
私は、そう言いながらも子供の頃はクラスで一番最初に誕生日を迎えることを嬉しく思っていたことを思い出した。
「別にあなた、今は学生じゃなくて社会人なんだからそんなこと関係ないでしょ」
母のいうことはもっともだが、そう簡単に割り切れないのが女心ってものなのかな?